イベントレポート

【~作詞家 たか たかし の世界~】イベントレポート

2017.07.07

6月24日(土)J-SQUARE SHINAGAWA にて今年作詞家生活50周年を迎えた、たか たかし氏を迎え、昭和から平成にかけて生まれた名曲の数々を4人の歌手を交えて振り返った約2時間のライブが繰り広げられたました。 

冒頭、この日の進行役を務めたテイチクミュージック社長池田純より「今回は歌手や歌だけでなく、作家にも注目して欲しい」とイベントのコンセプトを説明。80歳を超えた今もなお現役でテイチク新人にも楽曲提供をしているたか先生について「作家さんというのはどこか浮世離れしている、そうでないとあんなに名曲の数々は書けない」とその偉才ぶりを語る。

ライブ最初は自身のデビュー曲「大阪すずめ」をバックに永井みゆきが登場。永井は10代(中学校3年生)の時にたか先生に内弟子として師事。当時の印象をたかは「ニコニコしてお人形さんみたいだった」と語りながら、その歌声にほれこんで東京で預かることになったエピソードを披露。ここで改めて永井が美空ひばりの「おまえに惚れた」をカヴァー。1980年当時はポップスの歌詞をメインに書いていたたか先生が演歌・歌謡曲の歌詞も手掛けるようになったターニングポイントとなった作品で、難しい曲を歌う事が多かった美空さんが、時代と大衆に歩み寄った楽曲で、店頭キャンペーンも行ったのだそうです。

続いての登場は清水博正。彼のデビュー曲「雨恋々」も先生の書き下ろし。のど自慢の審査員として清水の歌声を聴き、その日のうちに作曲家の弦哲也先生に電話をして完成したのがこの「雨恋々」。ファーストインプレッションで清水の「盲目」というハンデを想定し悲しい曲を考えたが、実際逢ったら明るく元気で幸せに育った好青年という印象に変わり、そのキャラクターも才能だと絶賛。次に清水も美空ひばりの「裏窓」をカヴァーを歌唱。”表があれば裏がある” 。大スターでありながらいつも菩薩のような無邪気な笑顔が印象的な彼女が人生を裏から見たときにどんな景色だろうとイメージして書いたという楽曲。

3人目はタケ・ウケタが登場。劇団ひまわり出身、オーディションでグランプリを獲得し18歳でアイドルデビュー。その後芸能生活50年を経て今年8月テイチクより再デビューが決定。たか先生とも旧知の間柄で、そんなタケが甘く色気のある声で歌うのは、1973年のヒット曲西城秀樹の「情熱の嵐」。当時たか先生はスタッフと一緒に衣装や演出まで考えたそうです。

最後4人目は、今年6月にデビューした新人・桜川たつる。故郷が同じ新潟だという彼も、たか先生に師事。桜川は、先生の作品の中で一番好きだという坂本冬美の「風に立つ」を披露。当時、恩師・猪俣公章氏を亡くしてしまった坂本さんに”人生の応援歌”を贈ろうと作られたもので、たか先生にとっても大事な1曲になっているそうです。

ここでマイクは再び永井みゆきへ。レコード大賞作詞賞他、数多くの賞を受賞した1991年リリースの坂本冬美「火の国の女」を歌唱。女の情念が込められた同曲。当時の坂本さんにはまだ年齢が早すぎるのではと、一旦発売が見送りになったという逸話も。25周年を超えた永井が歌うのを見て「こういう曲をみゆきが歌えるようになったんだな」と感慨深く語るたか先生。

続いて清水博正が川中美幸の「ふたり酒」を披露。たかたかし×弦哲也、といった最強タッグが生み出した夫婦演歌の決定版だが、のちに「幸せ演歌」というキャッチフレーズがついた事に対し、たか先生は「誰しもが求めているから、幸せ演歌というのは、すたれないんじゃないかな?」とコメント。

ステージは後半戦は、タケ・ウケタが1977年の松崎しげるの大ヒット曲「愛のメモリー」を熱唱。たか先生曰く「この歌は歌う人を選ぶんだよね、高域を生かした難しい楽曲」と。。リリース当時、放送作家との2足のわらじで生計を立てていたたか先生だが、「この曲で作詞家1本でやっていこう」と踏み切ったきっかけになったそうです。

この後も、増位山太志郎の代表作「そんな夕子にほれました」から40年経った今、夕子を再び登場させよう!という事から生まれた「夕子のお店」を桜川が歌唱。”ちびりちびり”というフレーズが無意識に生まれたという伍代夏子の「ひとり酒」を永井が。そしてたか先生直々のリクエストで、不倫の匂い?漂う松原のぶえの「蛍」を好青年の清水がどうなるのかと注目のカヴァーが続く。更にはタケが五木ひろしの代表曲「倖せさがして」を披露。同曲は、譜面には出てこない五木ひろし独自の歌唱法に合致した結果ヒットにつながった。という当時の制作エピソードも飛び出した。カヴァー曲最後は、テイチク80周年記念オーディション出身で惜しくも2年前に急逝した故・池田一男の「最後の恋人」を当時マネージャーであった桜川が歌唱。

まだまだたくさんのヒット曲を聴きたいところだが締めくくりは、たかファミリーとしてすべてたか先生による新曲を各々がリリース順に披露。まず清水が2月リリースの10周年記念曲「人生一番」から。歌唱後清水が「この後も20周年、30周年と曲をまた書いてくださいよ」というと「そんなに生きてないかも」と返すたか先生。「長生きしてたくさん1曲でも多く書いてください。」「ありがとう」といった暖かいやりとりの中、続いて永井が登場、4月リリースの「蛇の目小紋の女」を披露。作曲家・平尾昌晃先生と共に考えられたキャッチコピー『みゆきが燃える女になりました』の通り、その成長ぶりに先生も目を細めた。そして数日前デビューしたばかりの桜川たつるが、デビュー曲「東京の人」を披露。「まだまだ歌手としては発展途上、大事なのは個性、振り付けもいいけど唄が一番大事だぞ。」とエールを送られた。最後はタケが8月にリリース予定だという30年前の国民的ヒット曲「あしたのジョー~美しき狼たち~」を初お披露目。時を超えても色褪せない名曲に会場も酔いしれた。

ステージは再び先生と4人の歌手が集まり、今日の感想を一言ずつ寄せた。永井の「なんだかこういう機会がないので緊張します。」との言葉に先生が「いい人見つかった?」と茶化すと「募集中です(笑)。先生の今日の服装って奥様が選ばれたんですよね?そんな夫婦になりたいです。」と親子さながらのやりとりに会場にも笑いが。清水は「あたらめて今日のライブで、素晴らしい楽曲をたくさん書いていてすごい先生だなと再認識しました」。タケは「いつもおしゃれで、気遣いもすごくて。いつまでも長生きしてください。」。桜川は「60歳くらい年が離れてますが、先生の年になったときに僕も先生みたいなに素晴らしい人になりたいです!」とそれぞれ締め括った。 

終演後は、第2部という名目で、たか先生・歌手・来場したファンとの懇親会が行われ、写真撮影もOK。たか&永井による貴重なデュエット「浪花恋しぐれ」を発端に、各歌手と来場者による大カラオケ大会に急展開。大いに盛り上がる中、まさに「たか たかしの世界」を終日満喫できたイベントとなり楽しく幕を閉じました。